中央日報さんによりますと
サムスン重工業のドリルシップが危機を迎えた。
サムスン重工業はスイスに海運会社トランスオーシャンから現在建造中のドリルシップ2隻に対する契約履行放棄の意思が寄せられたと24日に公示を通じ明らかにし、トランスオーシャンも23日にサムスン重工業に発注したドリルシップ2隻に対する契約取り消しを推進すると自社ホームページを通じ明らかにした。
サムスン重工業は2013年と2014年にギリシャのオーシャンリーグと2隻のドリルシップを14億3000万ドルで受注した。その後トランスオーシャンがオーシャンリーグの株式を取得しこの契約は自動譲渡された。
サムスン重工業関係者は「現在意見が寄せられた状態であり取り消しではない。今後具体的な件を検討していくだろう」と明らかにした。
世界の造船業界でドリルシップ放棄の意思を寄せられることはたびたび起きている。これに先立ちサムスン重工業は2015年に米海洋ボーリング企業のパシフィックドリリングが発注したドリルシップ建造を完了したが、同社が一方的に契約解除を通知し法的紛争中だ。
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https://japanese.joins.com/article/945/257945.html?servcode=300§code=320
さて、ドリルシップ(掘削船)なんて呼ばれていますが、海底資源を漁る船です。特に石油の試掘が主ですね。海洋調査なんて言って掘っても金にならないような事業に熱心なのは日本だけで、世界中石油求めて掘りまくってます。
さてスイスのトランスオーシャンなる会社のNewsによりますと
Transocean Relinquishes Interests in Samsung Drillships Under Construction
September 23, 2019
STEINHAUSEN, Switzerland, Sept. 23, 2019 (GLOBE NEWSWIRE) — Transocean Ltd. (NYSE: RIG) announced today that two of its indirect, wholly-owned subsidiaries will relinquish their respective interests in two drillships under construction – the Ocean Rig Santorini and the Ocean Rig Crete (the “Drillships”) – to Samsung Heavy Industries Co., Ltd. (“SHI”). Upon relinquishment of the Drillships, Transocean’s indirect, wholly-owned subsidiaries will not make further payments to SHI under the construction contracts. The total estimated future costs associated with the delivery and placing the Drillships into service would have been approximately $1.1 billion, which includes future payments to SHI under the construction contracts and costs related to spares, materials and supplies, and to the commissioning and mobilization of the rigs. The construction contracts are not guaranteed by Transocean Ltd. or any of its affiliates.
https://www.deepwater.com/news/detail?ID=23976
とりあえず、「これから海洋開発流行らないから要らないよ。これから支払わないよ」というレベルですね。もともと掘削船の海洋開発は減少傾向です。ピークは2016年10月頃まででした。東シナ海ガス田問題です。
今は朝鮮半島問題であまり日の目を見ませんが、今でもガンガン開発しています。ただAIIBが大体開始した2016年以後ばったりとドリルシップの話は無くなりました。
製鋼業界も「相手は秘密」だけど特殊すぎて何に使うかバレバレの鋼材の加工依頼があったり、世界中で海洋開発ブームでした。
つまり世界は東シナ海ガス田を開発する気満々だったと推測されます。但し、中国経済の実態が明らかになるにつれフェードアウトしていったものと思われます。
変わって南シナ海問題がクローズアップされるようになりました。あまり情報はありませんが、南シナ海も開発ですが、深く掘ることより浅く掘って埋めるタイプの工事のためあまり明るくありません。
さて、
書いてあることが本当なら2013年に1隻契約2014年に1隻契約。計($1,430M)14億3000万ドル。
今5年経った2019年残りの支払い$1,100M($1.1 billion)。今後払わない費用の内訳は、
「which includes future payments to SHI under the construction contracts and costs related to spares, materials and supplies, and to the commissioning and mobilization of the rigs.」「これには、建設契約に基づくSHIへの将来の支払いと、スペア、材料、消耗品、および掘削船の試運転と動員に関連する費用が含まれます。」
「 The construction contracts are not guaranteed by Transocean Ltd. 」「 Transocean Ltdは建設契約を保証しません。」
とあります。
家でも船でもなんでも工事期間の長いものは出来高払いの分割払いです。支払い周期は年だったり月だったりしますが。
ウーム工事が進んでいない気がします。商船だと大体世界的に3年先の契約まで決まってます。当社でもドリルシップやりましたが、ややこしかったですね。はっきりとは申し上げませんがそのせいで工期は通常の倍ほどかかってました。
現状トランスオーシャン社は三星重工に契約の約23%の$330M(3億3000万ドル)を払ったという事になります。この金額だと設計も終わっていないかと。他サイトを批判するような事は言いたくないのですが、確かに当てにしているふんどしが向こうから外れたのは事実なんですが、韓国経済に大打撃と言うわけでもないでしょう。
実際今後払わない費用の中に「材料」とあることから材料発注すらしていない事が分かります。単に予定していたドックが開いたという程度ではないでしょうか。
また、2文目の建設契約も保証する事態になってない事も建造とは程遠い状態であることが推測されます。
という事は韓国政府の金を使った格安受注で2杯分バルク船が日本から取られるかぐらいでしょう。
ところであの海洋開発ブームを実感するようになったのは自分は2010年くらいでしょうか。造船の世界はとにかく客船や運搬する船が殆どなので、掘削船のような船は現場も不慣れで大変苦労しました。
今にして思えばあの時苦しい思いして納期厳守してよかったなーと思ってます。下手に売れない船抱えてたらやってけないですよ。
たまに建造中の船の名前が変わることがあります。または、名前の決まらない船のまま工事とか。その時はこういうときなんです。